フルーツの誤解

フルーツは身体にイイ?悪い?
インターネット上にはいろいろな説が乱立していて、何を信じていいのかわからなくなりますよね。

端的に正解を書くと、フルーツはとても身体にイイです。

【フルーツが身体にイイことは国や病気を調査研究している機関からお墨付きがあります】

フルーツ摂取の多い方はがん、心臓病、脳卒中、2型糖尿病、高血圧のリスクが低いことがわかっているため、厚生労働省では国民の健康のために1人1日200gのフルーツを食べることを目標値にしています。(※)
日本糖尿病学会も、糖尿病予防のため日々適量のフルーツ摂取を推奨しています。

※ 健康日本21(第三次)

少し長文ですがフルーツの誤解を紐解きます。

フルーツが身体にイイ、悪いを語る上で、明確に区別しなくてはいけないことがあります。「生のフルーツ」と「容器に密封して売られるフルーツジュース」、これは全く別モノです。素材を生搾りしたフルーツジュースは「生のフルーツ」の扱いになります。このあたりが混乱の原因のひとつだと思っています。

「生のフルーツ」や「生搾りしたジュース」はとても身体にイイのですが、紙パックや瓶、ペットボトルなどの容器に入ったフルーツジュースに健康効果は期待薄です。製造工程に加熱殺菌があり、健康効果を促す酵素は失活しています。(病気や肥満のリスクも報告されている)
主原料が砂糖や人工甘味料の清涼飲料水(一般的にジュースと呼ばれるもの)は、フルーツ果汁が含まれていたとしても身体に悪影響を及ぼします。「健康のためにフルーツジュースを飲んでいる」という人は、生フルーツをお勧めします。

フルーツには果糖が含まれる(甘い)ので身体に悪いと考える人もいると思いますが、果糖が身体に悪いというのは正確性に欠けています。果糖は大量摂取が問題であり、例えばリンゴ100gに含まれる果糖は2g程度。一般的な砂糖や甘味料を加えたジュース(清涼飲料水)は、コップ1杯で30g以上の果糖摂取となることがあります。リンゴには炭水化物、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、βカロテン、ビタミンC、食物繊維などの多くの栄養も含まれます。少量の果糖を気にして栄養豊富なフルーツを避けることは、身体にマイナスな判断です。

メディアがフルーツを悪者にする報道の大きな要因は、正しい知識を持たない医師などの権威による間違った情報発信です。先のとおりフルーツは「糖尿病予防に効果がある」のですが、フルーツと糖尿病を結びつけて考える人が少なくありません。インターネット上にも間違った情報は多く散見します。権威や知名度がある人の発言であっても鵜呑みにせず、正しい情報を得る努力で身を守りましょう。

人間と生物学上極めて近い猿の仲間には、ほぼフルーツしか食べないものもいます。猿は雑食動物ですが、食べ物のほとんどは植物です。病気知らずの元気な隣人を紹介します↓ 彼らはフルーツでこの身体を作ります。